理事長所信

一般社団法人 大府青年会議所
2026年度 第52代理事長
近藤 成晴
共鳴する想い
〜今を守り、美しく咲け〜
はじめに
私はコロナ禍と同時期に青年会議所に入会をさせていただきました。
当時は右も左も分からず、ただ新鮮な環境、新しい仲間との出会いに楽しみを覚え、 第 2 の青春のような感覚だったのを覚えています。
しかし、当時は事業、例会の中止や Zoom 開催など、思うように活動はできませんでした。コロナ禍が明け、いよいよ通常といえる活動は再開されたものの、新型コロナウイルスの影響は非常に大きく、人と人とのつながり、組織としての形も大きく変わっていくのを感じていました。
青年会議所とは大企業を想定した規律のある組織であり、その厳格さに強烈な衝撃を受け、そこに魅力を感じたのを強く覚えています 。 私自身が魅力と感じたことは次の時代にも引き継いでいかなければその魅力はそこで途絶えてしまいます。
私は、 青年会議所で多くの学びを得るとともに、かけがえのない仲間と出会うことができました。
自己成長はもちろんですが、それよりも仲間との出会いこそが、 青年会議所活動をこうして続けられている原動力です。
自分のためではなく、仲間がいるからこそ続けられ、仲間がいるからこそ頑張れる。それは何物にも代えることのできない財産です。
人生において、お金や名誉、人望など何を重んじるかは人それぞれです。
私は、青年会議所活動を通して、人と人との繋がりこそが人生を彩る最大の力だと確信しています。
会員拡大とは人とのつながり
会員拡大はなぜ必要なのか。それは一人ではできないことも、 仲間がいるからこそ成し遂げられる。 人数がいるからこそ、 大きな事業、 より良い事業を生み出すことができるからです。
メンバー数が減少すると、 継続事業の実施や組織運営、 今後の活動自体の継続が危ぶまれてしまいます。
それはすなわち、青年会議所がなぜ生まれ、なぜ存在するのか、その意義そのものが問われることにほかなりません。
そもそも、 青年会議所はなぜ世界的な規模へと広がったのでしょうか。
なぜ今も必要とされるのでしょうか。
その魅力とは何なのでしょうか。
今一度、私たち自身がその本質と魅力を見つめ直し、発信し、志を同じくする新たな仲間との輪を広げていかねばなりません。
会員拡大活動の根幹にあるのは、「人とのつながり」、そして「信頼関係」です。
人とのつながりを大切にすることで、 新たな縁が生まれ、その縁をまた大切にすることで、さらに新たなつながりが生まれていく。
一見、当たり前のことのようですが、 意識しなければできず、それこそが最も大切なことだと、私は確信しています。
そして、 会員拡大活動は想いだけでは、 上手くいきません。
一人の力だけでは継続もできません。
だからこそ、誰もが拡大に携われる環境が重要だと考えます。
会員拡大活動は、 青年会議所の唯一の継続事業です。
我々が想いを寄せる大府青年会議所の未来を守るためにも、そして、 魅力溢れる大府青年会議所を次代へとつなげていくためにも、ともに切磋琢磨し、高め合える同志と、今、つながろう。
新たな青春を
組織とは、個の集合体です。
一人ひとりがそれぞれの想いや個性を持ち磨くことで、 輝きはより大きなものとなり、組織全体の成長へとつながっていきます。
人には、それぞれ違う性格や価値観、感情があります。
多様な仲間たちが集まり、意見を交わし、すり合わせながら、 一つの目標に向かって進むことは、 決して簡単なことではありません。困難の中にこそ学びがあり、乗り越えた先に本当の楽しさが待っているのです。
仲間と切磋琢磨することで、 自分一人では見えなかった景色や、たどり着けなかった場所へと辿り着けるものです。
青年会議所では、 自分では気づけなかった視点や考え方に数多く出会うことができます。そして何より、「仲間の大切さ」に改めて気付くことができます。
あなたの一声が、 大府青年会議所に新しい風を吹き込み、 仲間の成長につながっていきます。
ともに学び合える仲間を大切にし、支え、高め合い、新たな青春を始めよう。
生きることは、支えられていること
私たちの暮らしは、多くの「当たり前」の上に成り立っています。毎日家族や仲間と過ごせること、元気に学校に通えること。しかし、日常の 「当たり前」は、何かしらの支えのもと成り立っています。
現代の社会は、豊かで便利な反面、大切なものに気付きにくい時代でもあります。身近な命への感謝や、 人とのつながりのありがたさ。
多くの人は気づいていないだけで、 本当に大切なものはすぐ目の前にあります。
災害や環境の変化、社会の不安定さ。 私たちは、どんな状況の中でも「生きる力」 を持ち、感謝と希望を胸に、 前へ進んでいかなければなりません。 これからの未来を担う子どもたちが日常にあふれる小さな幸せに気づき、それを当たり前と思わずに大切にできる心を育むことが、これからの未来を担う子どもたちにとって、かけがえのない力になるはずです。
「ありがとう」の心を素直に持てる子どもたちが増えれば、 地域も未来も、きっともっと優しく、あたたかいものになる。
子どもたちの笑顔のために、そして未来への希望のために命の大切さを伝えよう。
笑顔こそまちの宝
大府青年会議所は、これまで地域貢献の一環として、様々なまちづくり運動を展開してまいりました。
その中には、 何年にも渡って継続し、 地域にとって欠かせない存在となった事業もあります。
これらの事業が形となり、受け継がれ、地域に根づいてきた背景には、先輩諸兄の熱い情熱と弛まぬ努力、そして地域を想ってきた心があります。
私たちが今、地域の未来について語れるのは、先人たちが築いてこられた歴史の上に立っているからこそであり、深い感謝と誇りを忘れてはなりません。
では、事業の理想とすべき在り方とは何でしょうか。私は、地域の皆様に必要とされ、共感され、自然と受け継がれていくものであると考えます。だからこそ、評価を受けることを目的とするのではなく、「誰かの笑顔につながっているか」を意識し続け、次代へと継承してまいります。
また、地域の皆様や行政、関係諸団体など、 我々の運動を展開するために関わりのある人たちと、 継続的に広く関わり続け、 信頼関係を育むことで、 意味のあるまちづくりを実現していけると確信しています。そこで、私たち自身が、地域と関わることを楽しみ、笑顔を周囲へと伝播させていきましょう。 笑顔が生まれれば、心が通い、信頼が育ち、まちの未来を動かす原動力となるのです。 また、 近年、災害による被害が頻発している中、災害時には我々青年会議所が先陣を切って地域のために行動をしなければなりません。
災害時に地域のために何が出来るのか、何をやるべきなのか。それは常日頃から防災に関して意識していなければできることではありません。 私たちが地域のリーダーとして誇れる行動を示し続けてまいります 。
大府青年会議所と関わる全ての人が笑顔になれるように。 地域を愛し、 地域とともに歩み、「笑顔こそまちの宝」 であると胸を張って言えるまちづくりを目指して、 未来のために笑顔から始めよう。
組織を支える力
青年会議所の活動は、決して余った時間で行うものではありません。 自分自身や家族との時間、そして仕事など、限られた貴重な時間を使って、地域のため、未来のために活動しています。その毎分毎秒が「命の時間」であるという自覚を持たなければなりません。時間とは、 最初からあるものではなく、意識して作り出すものです。その限られた時間を無駄なく、有効に、そして有意義に使うことがメンバーの成長と、組織の強さを大きく左右すると考えています。
そして、時間と並んで組織運営に欠かせない大切なものがルールです。
ルールはトラブルを未然に防ぎ、公平性を保ち、全体の秩序を守るために存在します。ルールを守ることが組織としての一体感と信頼を築く基盤となるのです。
しかし、時代は常に動いています。ルールもまた、不変ではありません。今まで通りでい良いのか。それを問い続ける姿勢もまた、今の時代に即した組織となるために必要です。 時代の流れ、社会の変化に応じて、厳格さと柔軟さ、一見相反するこの二つをバランスよく兼ね備えることが、今の時代にふさわしい、しなやかで強い組織をつくる鍵となるのです。
ルールに基づく秩序を守り、人の想いや多様性を尊重する組織は、人を惹きつけ、地域に必要とされる存在になれると確信しています 。 仕組みや制度だけで動くのではなく、想いを持った一人ひとりが行動し、つながり、支え合うことで、生きた組織となります。
何よりも、組織を支えるのは人であるということを忘れてはなりません。ルールと人が調和し、成長できる組織を目指し、一人ひとりの力が最大限に発揮される環境を整えることで、どんな時代にも揺るがない組織基盤を築いてまいります。限られた時間の中で、厳格な組織運営をしよう。
成長の機会は、無限にある
青年会議所の魅力は、地域に根ざした活動にとどまりません。 大府・東浦から知多エリア、東海地区、愛知ブロック、日本、JCI と、視野を広げれば世界中が活動の舞台となります。
新しい環境に飛び込むことには勇気と決断が必要です。
挑戦するからこそ Opportunity を掴める。挑戦しなければ失敗もしない代わりに、成長もありません。何のために青年会議所をやっているのか思い返し、今こそ、思いきって一歩を踏み出そう。出向の先には、自分の可能性に出会える瞬間が必ずあります。日常では出会えない仲間との出会い、経験できないスケール、大府青年会議所の魅力を改めて感じる機会、新しい価値観との出会い。意識して見つめれば、その学びは数え切れないほど広がっています。出向は、個人の成長だけではなく、大府青年会議所の未来にとっても大きな財産となります。 出向者を送り出し、戻ってきた仲間を温かく迎え入れる環境を作り、挑戦する人を称え、学びを共有できる組織となるよう尽力してまいります。
成長の機会は、待っているものではなく、自ら掴みにいくもの。
Opportunity を今、掴もう。
発信は未来への架け橋
青年会議所の活動は、 地域に届いてこそ真の価値があると考えています。
地域の皆様に活動の意義や魅力を知っていただくことは、地域の信頼を築き、仲間を増やし、組織の未来を切り開く力となります。
広報とは、単に事業の案内や報告をするだけではありません。 地域の皆様に少しでも青年会議所を知っていただける発信こそ、やるべき価値があります。 一方的に伝えるのではなく、地域の皆様が何を求めているのかを考え、共感や興味を引き出す工夫を重ねてまいります。
また、 発信する事業への想いを大切にし、 魅力を最大限伝えることが、 最大の成果に繋がります。
私たちの想いを一人でも多くの人に届けよう。
終わりに
組織とは一人ひとりの個の集まりです。 個が輝くことで、 組織全体がより一層輝きを増します。では、輝くためには何が必要でしょうか。それは、一人ひとりの「想い」であると考えます。
想いがなければ、熱のこもった行動は生まれません。想いがなければ、共に歩んでくれる仲間も集まりません。
想いがあるからこそ、周囲を巻き込み、時にぶつかり合い、心から笑うこともできるはずです。たった一度の人生。大いに楽しみ、笑いましょう。
人は変わらない。変わるのは自分だ。そうよく言われます。だからこそまずは、自分から想いを発信し、仲間にきっかけを与えてください。その想いは共鳴し、周囲へと広がり、あなたの人生に良い影響を与えてくれるはずです。
人は決して完璧ではありません。 一人ひとりが個性あふれ、 誰にも代えられない魅力ある人財です。
今を全力で頑張っている姿こそ、一番美しいと私は思います。
その姿は紛れもなく、立派に咲き誇る美しい花です。
一人ひとりが誇りを持ってキレイに咲き誇る花でありますように。
今を盛り、美しく咲け。
